今朝もこのニュースに対しての記事は書きましたが、少し補足検討をば。

 ソースがどこかあやふやなのですが、このニュースについては「3円の消費電力で100円分の石油を得る」といった情報がネットの各所で見受けられます。
 果たしてそれが事実なのかどうなのか、論文から検討してみたいと思います。
 まず、実験で使用した(そして生成したと考えられている)オイルはケロシンと軽油の混合物です。
 また、使用量は2.5Lであり、ニュースの通りボリュームベースで5~10%増加したとしています。
 詳しい実験の内容は前回の記事をご覧ください


①生成物

 反応前、反応後におけるオイルの密度、総エネルギー量には大きな差はなく(1%以下)、それぞれ0.83g/cm^3、46000J/gとなっています。

 したがって、エネルギーベースで生成される熱量は
 250mL * 0.83g/cm3 * 46000 =9545000J

 また、別の視点から見てみると
 ケロシンの価格は70~60米ドル/バレル、つまり、おおよそ50円/L
 また、軽油の価格は98円/L程度でしょう。

 その点で考えると、得られた溶液の価値は
 0.25*98円~0.25*50円
すなわち、12~25円となります。

②使用電力

 この実験では、前の記事に書いたように基本的に常温常圧で反応が進行します。
 そのため、電力を使用する機器はナノバブル発生装置UV灯くらいです。
 (水とオイルとCO2を4分間混和する装置もあるが、電力の見積もりが取れないため省略)

 さて、まずはナノバブル発生装置について検討していきますが、この実験で使用した西研デバイス製の製品はネットでカタログが見つからなかったため、類似品で見積もっていきます。

 このサイトのスペック表を見ると、大体消費電力は800W程度のようです

 次にUV灯ですが、パナソニックと東芝の40Wのものを使用しているようです。
 それぞれの使用本数は不明ですが、まあ1本づつとして見積もりましょう。

 では、検討していきましょう。

 まずエネルギーベースでは ワット数 × 時間(秒) =熱量(J)なので
 800 * 2 * 60 *60 + (40+40) * 0.5 * 60 * 60 = 
5904000(J)

 次に、電気料金ベースでは、こちらのサイトで見積もったところ、合計で32円となりました。


③総括

 今回の調査をまとめると以下の通りです

 (1)熱量ベースでの増加
  9545000 - 5904000 = +3641000 (J)

 (2)金額ベースでの増加
  25 - 32 = -7

 熱量ベースでは確かに増加していますが、3円で100円というような値ではなく、精々2倍弱程度の増加となりました。

 まあ、金額ベースでも原材料と末端価格を比べてるわけですから正確とは言えませんが……まあ御目こぼしを。

以上です