最近?話題の医療用大麻解禁について、麻薬四法から考えました。
1.麻薬四法の違い

 まず、現代日本における麻薬関連の規制は次の4つの法律でなされます。
「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」も含めた5つで麻薬五法と称するようですが、これは外国人による麻薬犯罪を律する法律なので省きます。)

・大麻取締法
・覚醒剤取締法
・あへん法
・麻薬及び向精神薬取締法

簡単にそれぞれの内容を説明すると、

大麻取締法
 大麻草の所持・栽培・授受等を制限する法律。
 認可を受けた者が研究目的で使用する場合・認可を受けた者が栽培する場合のみ可

覚醒剤取締法
 特定の化学物質の所持・製造・授受等を制限する法律。
 認可を受けた者が研究目的で使用する場合・認可を受けた者が製造する場合・認可を受けた者が処方する場合・施術を受ける場合場合のみ可

あへん法
 ケシ・あへんの所持・栽培・授受等を制限する法律。 
 認可を受けた者が研究目的で使用する場合・認可を受けた者が栽培する場合のみ可
 あへんの売買先・購入先を国のみとする。

麻薬及び向精神薬取締法
 特定の化学物質の所持・製造・授受等を制限する法律。
 認可を受けた者が研究目的で使用する場合・認可を受けた者が製造する場合・認可を受けた者が処方し、あるいは処方される場合のみ可


覚醒剤取締法と、麻薬及び向精神薬取締法が成分の規制、
大麻取締法と、あへん法が植物の規制となっています。

また、覚醒剤取締法では患者が覚醒剤を所持することはできない(病院内等での処置に限る)一方、麻薬及び向精神薬取締法では、処方を受けた患者が麻薬(向精神薬)を所持することができる点が異なっています。


2.医療用大麻の規制
さて、ここで問題になっているのが、大麻取締法(およびあへん法)では、医療用であってもこれらの使用を禁じている点です。
(大麻取締法)
第四条 何人も次に掲げる行為をしてはならない。
 大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)。
二 大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること。
三 大麻から製造された医薬品の施用を受けること。
 医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等(医薬関係者又は自然科学に関する研究に従事する者をいう。以下この号において同じ。)向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として医薬関係者等を対象として行う場合のほか、大麻に関する広告を行うこと。

 あへん法では、あへんやケシガラの規制に留まり、そこから精製されたモルヒネ等は麻薬及び向精神薬取締法の対象になっている点が大麻と異なっています。

 この点を是正し、大麻(というより大麻由来THC等[ 合成THCは麻薬及び向精神薬取締法の対象 ]の成分)の医療用利用を解禁しようというものが現在の流れです。

 従って、医療用大麻解禁といっても、医療用大麻草が導入されるわけではなく、大麻草由来医薬品解禁とした方が正確でしょう。


 また、使用罪の追加に関しては、通常の麻薬・覚醒剤・あへんと同じルールで規制をするというだけの話かと。
(これまでは大麻栽培者の意図せぬ曝露の恐れがあったため存在しなかったが、結局栽培者はTHC等へ曝露しないことが判明。あへんの場合はケシからの加工が必要なためか、使用罪あり)